『リハビリ教育のネタ』:その29.―自己点検―

 

規制緩和政策の影響もあって、このところのリハビリテーション系養成校数の増加は爆発的で、現養成校数を見る http://wwwsoc.nii.ac.jp/jpta/GAKKOU16.htm ・ http://www.jaot.or.jp/youseiko.html ・ http://www.jaslht.gr.jp/school_list.html  と、“どうなっているの”と言いたくなる。養成校数と入学定員は、今後もますます増える予想だそうだし、就職時の需要と供給バランス問題以前に、入学生の確保が先ずは問題になる。全ての養成校が学則定員を満たすとなると、若年者人口が急速に減少しているなかで、仮に入学者が18歳のみとして考えると、リハビリテーション系の養成校にいくら少なく見積もっても100人に1人は入学しなければならないことになる。これは物理的に無理なことで、そうなると養成校間の過当競争が始まる。学費を下げるなどの小手先の対応が一時的に効果はあっても、長期的にみれば卒業生の評判が第一で、その養成校の教育の質と特色に係ってくるのだ。大学の刷新は、日本だけでなく世界的テーマであることは『世界の大学危機 新しい大学像を求めて』(潮木守一 2004中公新書 ¥819)にあるが、日本の大学も『崖っぷち弱小大学物語』(杉山幸丸 2004中公新書ラクレ ¥756)にあるように必死である。専門学校でも、芦田 氏が述べられている http://www.ashidahironao.info/jboard/jboard.cgi (番号6184187299310364 など)ように、多くは懸命に努力中である。「自己点検・評価」が義務付けられたが、芦田宏 氏が言われるように、教育にも自己点検表を有効に利用してカリキュラムや授業方法を考え、自校の特徴と独自性を築き上げなければ。

(茂野史利) 

『リハビリ教育のネタ』:その30.―ネタにならず―

 

 NHK教育テレビで過去に放送されたドキュメンタリー番組の一つが、政治的介入があって内容の変更が行われたのではないかとの問題が持ち上がった。昨年末に、重なる不祥事の発覚から、会長辞任要求と受信料不払い運動に発展しての、果てである。企業体質が問題視されているのに、組織改変が進まないために内部告発に踏み切ったと伝えられるが、誰の言い分が正しいのか、どちらが真実かは、今のところ判断できない。ただ、マスメディアからの情報の内容は、制作者や発表者の意図によって大きく変えられることは、視聴者としていつも意識しておかねばならない。洗脳あるいは教育しようとの意識が無くても、トピックスとしてセンセーショナルに取り上げられれば、視聴者は全てがそのとおりで正しいと信じてしまう。全てを懐疑的にというのではないが、国民は『テレビの嘘を見破る』(今野勉 2004新潮新書 ¥735)を読んでから、テレビを見たほうが良いかも。 平成14223日に放送されたNHKスペシャル『車椅子から立ち上がれ』は、理学療法士の間からは抗議の意見が噴き出した。意図的に編成されていることが議論の的になったのは勿論であるが、逆に、不快を覚える場面はそのままに放送された。治癒率も、解説をよく聞けば誤解することはないのだが、一般の視聴者では、その病院に入院すれば全て人がテレビで見たとおりの回復が得られると信じてしまう。実際、この病院では放送後のしばらくは大変だったそうだから。テレビ番組の一部を録画して、講義資料の一つに利用することはよくあるが、この「車椅子から立ち上がれ」はその内容が学生に誤解を与える危惧があることを思うと、やはり、理学療法概論などの授業で教材の一つとしては使えそうにない。理学療法士協会はNHKに、番組上の問題があるつどに要望書提出や意見投稿で申し入れ  http://wwwsoc.nii.ac.jp/jpta/sikaicho14.htm http://wwwsoc.nii.ac.jp/jpta/riji1506.htm て、番組再編成や理学療法士企画の番組制作などを約束しているとのことだが、その後の進展は不明。教材にも出来る内容の番組が出来ることを期待するが、結末が協会あげて受信料不払い運動展開などとならないように願おう。